■うましくに伊勢シェフクラブ(10.06.05)
2013年の遷宮に向け益々観光客が増加し、その流れに合わせるように伊勢市を紹介する雑誌が数多く出版されるのではないかと思われます。
るるぶ、まっぷるマガジンなどに代表される観光ガイドブックでの集客率の高さやネット上での情報は、驚くべき反応があるようです。
そのような記事には地元の方々も非常に興味を示し、宣伝効果のあることが伺えます。
おそらく、おらが町のレストランに対して強く関心を持つのかも知れません。
そのような理由において、全国誌に掲載されるチャンスがあれば、その必要性があるのではないでしょうか。
これまでうましくに伊勢シェフクラブとして活動してきた過程の中で伊勢市や三重県の行政、出版社、異業者、同業者、町の活性化を真剣に考えるグループや観光協会。あらゆる人達に少なくとも一石は投じられたと思います。
しかしレストランを経営するオーナーシェフとしては、もっと沢山のお客様が来なければ話しにならないのです。
今日、お客様が少なければ明日は、上等の魚を買えません。強力な後ろ盾を持たずに健全な経営の元でしか成り立たない私たちのレストランは、これからもっともっと積極的にアピールすることが得策ではないかと考えます。
そうすることにより、ある日誰かの店に取材の申し込みの電話が鳴るかも知れません。
その時、その取材者が満足するような各自の店作りを成し遂げ、本を見てやって来られたお客様が心から楽しんでくれたとします。その喜びを誰かに口伝えすることが各店の繁栄につながると思うのです。
もちろん、いままでの行動に注目してくれた前述の皆様が深く信頼して認めてくれるかも知れません。
神宮との良好な関係を築かせていただき、伊勢市と深い絆を結ぶことにより、誇りを持って仕事する喜びを噛み締める。
地域に根差した地方のレストラン。それが私たちの立ち位置であるならば、今一度メンバーに呼び掛けさせて貰います。
私達のレストランの更なる向上を目指しませんか。
店の体裁や造作。皿の値段。トイレがひとつかふたつかなんて全く関係ありません。
自分達には、この仕事をやっていくしか能がないんだと言うギリギリの崖っぷちで歯をくいしばって切磋琢磨する真剣勝負。
情熱をぶつけ合う者だけが、その門をくぐることが許される。 仲良しごっこのサークルからハードルを一段上げて、改めて本当の意味での、うましくに伊勢シェフクラブになりましょう。
そのために新たな規約が必要であるなら、みんなで意見を交わして考えようではありませんか。
このようなメールを配信し、久しぶりに全員が集結しました。
更なる進化を目指しませんか?
・・・何を今さら。そのためのシェフクラブじゃないか。
みんなの心の声が聞こえてきそうな雰囲気。
ラブラブカップルの愛の確かめ合いじゃあるまいし、当たり前のことを念押しするのは色ぼけしているみたいで照れ臭い。
ねえ、私のこと好き?愛はまだあるわよね?
そんな気持ちで僕がメンバーにクラブへの愛情を確かめたのだから滑稽だ。
しかしシェフたちの堂々とした言葉を耳にして恥ずかしいどころか勇気が湧いてきました。
新しい規約。 紹介者が3人なんて要りませんよ。一人も二人も無用。僕たちが認めるのではないし第一僕たちは何様でもないじゃないですか。・・・それではシェフクラブにふさわしい人物とは?。
志が高ければいいんじゃない?情熱さえあれば大歓迎。
そんな歯の浮くような台詞はおおよそ僕の専売特許なのに今回は違いました。
それがまた嬉しくもあり頼もしい。
改めまして、うましくに伊勢シェフクラブ。
新生でもなんでもありません。2年半前の設立当時からメンバーはひそかにそう思っていたのでしょう。 問われなかったから言わなかった。
問われたから当たり前のことを言った。そして心がひとつになれた。僕たちは、伊勢を美食の街にしたいのです。
30年前、志摩観光ホテルの高橋料理長は、右手に伊勢海老、左手に鮑。ポケットに的矢牡蠣と松阪牛を押し込んで声高らかに名乗りをあげました。天賦の才。全国、世界中の美食家たちによる高橋詣での始まり。サクセスストーリー。
僕たちは目も眩むほどの美しい料理や声にならない程の感動を与える天才料理人ではないかも知れないし、英雄にもなれません。自分達の持ち場で地道に地道にコツコツと裁縫仕事のように料理と向き合います
ダンプカーの馬力を持った心優しく繊細な職人達。美味しさとお客様の快楽を満たすために最高のレストランを目指して日々進化する。それが美食都市伊勢へと続く道。
おいない。伊勢においないさ。おいしいもん作るで。 どこの店に来てもうても、喜んでもらえる自信は、あるんな。そやで待っとるわ。絶対やに。
お越しください。どうぞ伊勢にお越しください。美味しい料理を作りますよ。
どの店へいらっしゃっても、お客様に喜んでいただける自信があります。お待ちしています。必ず来てくださいね。